9/1より平成27年度第3回茅ヶ崎市議会定例会が始まっています。一般質問に続き、9/3にプールの強化ガラス破損事故の修理代金900万円が「専決所分の承認」という議案として出ました。
地方自治法第179条第3項によると 緊急やむを得ない場合には自治体の長はその議決すべき事件を処分することができるとされており、また、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならないのです。
今回のプールの強化ガラスの破損事故については、すでに市長判断により屋内温水プールの強化ガラス76枚の交換などの工事とともに900万円の支出がされています。そのことについての議会承認を求める議案が議案第70号です。
900万円の全額税金での修理に反対したのは松島みき子だけでした。
議案第70号は、賛成多数で可決しました。
質問は3回までなので、松島は3回質問しました。
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割れた強化ガラスの破片を分析し、原因を究明するために専門の機関に出しているとのことだが、原因は特定できたのか?⇒できていない。
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茅ヶ崎屋内温水プールは完成してから5年を経過したところであるが、昨年は配管の水漏れが発生し、どこから漏れているか特定するための配管の水漏れ調査、それに続く修理を行った(合計205万2千円)が、これ以外にも修理をしたことがあればお答えいただきたい。⇒これ以外の大きな修理はない。
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今回の契約は随意契約であるとのことだが、この点について伺う。随意契約することができる金額は、自治法や茅ヶ崎市契約規則により上限が決まっています。工事や製造については130万円までとなっています。しかし、今回は、地方自治法施行令第167条の2第1項第5号 緊急の必要により競争入札に付することができないときを適用して900万円の温水プールガラス交換工事の契約をしました。どのような緊急性があったのかお答えいただきたいことと地方自治法の予算決算及び会計令 第九十九条の六 契約担当官等は、随意契約によろうとするときは、なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならないとなっていますが、今回の見積もり合わせは1社のみとのことです。この理由を伺います。市内にはガラス事業者は1社しかなかったので見積もり合わせは1社のみにしたとのことですが、藤沢市など近隣にはガラス事業者はいらっしゃるのですから一応の競争性を担保するためには2社以上のものから見積もりをとるべきだったと思います。この2点について伺う。⇒緊急やむを得なかった。夏休みでもあり、早くプールを再開したかった。
反対の理由は3つ
議案第70号 専決処分の承認について反対の立場で討論いたします。
この専決処分は、今年6月27日茅ヶ崎市萩園にある茅ヶ崎屋内温水プールのプール室内北側上部ガラス一枚が割れ落ち、破片が散乱した屋内温水プールのガラス破損事故の修理に関するものです。反対の理由は3つあります。
反対理由①
今回、事故があったので市の負担で強化ガラスを割れてもガラスの破片が落ちない合わせガラスに76枚を交換し、22枚に飛散防止フィルムを張り付けたとのことですが、調べてみると外力が作用しないのにガラスが自然に割れる現象は強化ガラスで知られていることがわかりました。他市でビルの外壁の強化ガラスが割れた事故が数件あったこともわかりました。市民の安心安全を考えると屋内温水プールのガラスは初めから合わせガラスにすべきだったのです。住宅瑕疵担保責任履行確保法によると 通常の生活に支障があるような欠陥が見つかった場合は、建築してから10 年間は建築した事業者が責任をもって修繕することとなっています。屋内温水プールは建設されてから5年しかたっておらず10年間の保証に当てはまりますが、この住宅瑕疵担保責任履行確保法では公共施設は対象ではないのです。しかし、公共工事標準請負契約約款第四十四条によれば、瑕疵担保責任は、1年または2年に短縮されているが、請負者の故意または重大な過失により生じた場合には、10 年間の瑕疵担保責任を請求することができるとされており、最初から合わせガラスにしなかったために子どもたちが落ちてきたガラスの破片によって怪我をしたことは、プール施工業者の故意または重大な過失による事故であると思いますので全額市の負担でガラス交換をすることについては賛成できません。
反対理由②
今回は1社のみの見積もり合わせによる約900万円の契約であり、随意契約理由書には地方自治法施行令第167条の2第1項第5号を適応したとのことですが、緊急に屋内温水プールを再開させなければ市民の生命、財産に危害が及ぶということはありません。むしろ、市民の安心、安全を考えれば、徹底した原因究明をしてからその原因に対する対応をすべきだったと思います。地方自治法施行令第167条の2第1項第5号 緊急の必要性には当たらないと思いますので反対です。
反対理由③
製造物責任法です。製造物責任法は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする法律です。今回の事故の原因がガラスのものだとすればこの法律の適応が考えられます。たとえば、似たような事例で2011年9月、JR金沢駅東口の「もてなしドーム」の屋根ガラス1枚に破損が見つかった問題で、金沢市は事故調査委員会を設置し、ガラスの破損原因を調べ「ガラス内部の硫化ニッケルの体積膨張が原因」とする調査結果を出したのち、ガラスの代金については製造者の負担でガラス交換を行っています。原因究明を行い、製造物責任法の適応も含めて費用の負担を検討すべきですので、今回の専決処分には賛成できません。
会議の議案に対する討論、質問の様子はネットで見ることができます。
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