茅ヶ崎市立病院職員の医薬品窃盗事件について

平成29年度第3回茅ヶ崎市議会定例会2日目、9月4日(月曜日)、この件について一般質問をします。時間は、午後4時前後であると思います。どなたでも傍聴できます。

以下、まとめてみました。

茅ヶ崎市立病院で、約54万円分の抗がん剤等の薬品が不正に持ち出された事件を受け、病院が院内の医薬品を調べたところ、直近1年間で抗がん剤など約1億400万円、16種類851箱の薬が治療には使われずになくなっていたことが新たにわかった。現在、警察で捜査中である。

議会では8月24日の全員協議会で改めて病院長が謝罪をし、薬局における管理体制の改善についての説明があったが服部市長の発言はなく、本質的な改善をする意思は感じられず茅ヶ崎市役所の組織としての問題の根深さを感じた。

茅ヶ崎市立病院は地方公営企業法一部適用の病院であるので、毎年、約10億円から14億円の税金がつぎ込まれて運営されている。また、茅ヶ崎市立病院には、一般病院のような理事長職はなく、茅ヶ崎市立病院の最高責任者は服部市長であり、夜光副市長の所管で、仙賀茅ヶ崎市立病院長は部長級の職員である。

8月23日に横浜地方裁判所で第2回公判が行われ、傍聴に行った。その中で検察官から事件について「被告は、平成26年4月より薬品倉庫の管理業務に勤務したが、仕事にやる気をなくし、電子カルテと会計のパソコンは繋がっているが、薬品倉庫のパソコンと電子カルテは繋がっていない事から着服できると考えた。」と陳述があった。

今回、病院側から改善策の説明があったが、情報の伝達方法など抜本的なシステムを改善しない限り再発の恐れがあると感じた。ICタグやバーコードの使用によって在庫管理も含め改善した市立病院の例もあると聞いている。

また、今回の事件は社会的な問題でもある。薬の現金問屋が存在し他の医療機関に正規料金よりも安価な金額で横流し、誰かの治療に使われた。薬は使用期限など様々な理由でメーカーの自主回収があるが、横流れした薬品についてはメーカーも追うことができないと聞いた。

傍聴に行かなければ知り得ないこともある。横浜地裁での次の公判は10/4午前10時20分から。誰でも傍聴できるが、延期されることもあるので確認して傍聴していただきたい。皆様からご要望の高い中学校給食や小児医療費助成は、市立病院への繰り出し金を減らすことができれば実現性も高まる。事件の真相を知り病院運営のあり方を検討すべきであると考える。

 

茅ヶ崎市立病院職員の医薬品窃盗事件について その3

市議会全員協議会で改善策についてが議題となった

薬局における管理体制の改善策をまとめた資料

病院長より

今回の件は、管理が不十分だった。改めてお詫び申し上げます。このような不祥事を起こす職員が出たことについては煮えくり返る思いです。

部門のトップが職員を把握すべきで、それが特に薬局では甘かった。

職員が悩みを抱えている場合は相談できる職場環境を一刻も早く作るようにしたい。

副院長、病院総務課長よりも発言があった。

茅ヶ崎市立病院のトップは茅ヶ崎市長 病院長は部長級

茅ヶ崎市立病院は地方公営企業法一部適用の病院なので、一般病院のような理事長職はなく、茅ヶ崎市立病院の最高責任者は服部市長であり、茅ヶ崎市には副市長は2人いるが、茅ヶ崎市立病院については夜光副市長の所管で、仙賀茅ヶ崎市立病院長は部長級の職員である。総務部、企画部、財務部、建設部等とおなじ部長級職。※茅ヶ崎市行政組織図

8月24日議会で服部市長、副市長の発言はなし

茅ヶ崎市立病院の最高責任者である服部市長から、薬の管理が不十分だった事への謝罪、組織として信頼をとり戻すための決意等の発言もなく、発言は一切なかった。

※医療法第十五条  病院又は診療所の管理者は、その病院又は診療所に勤務する医師、歯科医師、薬剤師その他の従業者を監督し、その業務遂行に欠けるところのないよう必要な注意をしなければならない。

改善に向けて

➊その人をそういう行動に走らせた要素がどこにあるか、本質的な要素を取り除かなければ原因は残っているので繰り返される。

こんな人を職員として採用していたのは間違っていた等、被告にすべての原因を押し付けて終わるのではなく、組織としてどこに問題があるのか原因究明をすべき。

薬が紛失した原因として被告が起訴されていない紛失した薬(現在起訴された合計額は約200万円なので残り約1億200万円)も被告が盗ったとは決めつけないであらゆる可能性を検討することが必要。たとえば何らかの原因で最初から入ってなかった等

※ネット情報によると薬剤管理をきちんとしていない病院では高価な薬でも箱から中身の薬剤が数本足りなくても気づかなかった例も出でいた。払い出しの前に入庫時の検品は正確にされているか等も点検が必要ではないだろうか。

➋問題の本質は隠れているが、本質を見つけることが必要

➌問題の兆候と原因は区別すべき

個々の職員か問題を起こす・・・これは兆候である。原因は何かを突き詰めていかねばならない。見抜くためのきっかけにしか過ぎない。これに対処するだけでは問題がある。

例えば、咳が止まらなくなる・・・これは風邪の兆候だと考えて風邪薬を飲むと一時的に収まる。しかし、単なる風邪ではないかもしれない。風邪薬を飲んだだけでは本当の原因を見落して重篤な症状が現れて本来の原因に気づくかもしれない。咳は原因を見抜くためのきっかけ。

被告が薬を着服した原因は何なのか?なぜ、茅ヶ崎市立病院に勤務して薬剤師としての仕事のやる気をなくしてしまったのか?原因を見つけることが組織として必要だと思う。

 公判の傍聴から~

被告は、仕事にやる気をなくし、電子カルテと会計のパソコンは繋がっているが、薬品倉庫のパソコンと電子カルテは繋がっていない事から横領できると考えた。

8月23日(水曜日)午前10時より 横浜地裁 第2回公判の傍聴は20分ほどで終了しました。

被告はご両親に付き添われて傍聴席におり、10分ぐらい前に弁護士に促されて被告席に着きました。傍聴は市の職員の他、大学のインターン生の集団もいて25人くらいでした。

追起訴の控訴事実について検察官より発言があった

平成29年4月6日〜13日に5回にわたり薬品15箱148万9748円を着服した業務上横領罪である。以上の事実につきご審議願います。

被告

間違いありませんと認めた。

検察官より

経緯について

平成24年4月より被告は茅ヶ崎市立病院に薬剤師として勤務

平成26年4月より薬品倉庫の管理業務に勤務したが、仕事にやる気をなくし、電子カルテと会計のパソコンは繋がっているが、薬品倉庫のパソコンは繋がっていない事から横領できると考えた。

投薬が中止になっても自動発注されていた。

お金を貯めて仕事を辞めようと考えた。

薬品倉庫の冷蔵庫から自己のポケットに入れて盗んだ。パソコンを不正操作した。

平成29年4月15日 警察の捜査で自宅から医薬品を押収した。

弁護人

すべて同意しますと発言。

検察官より

追起訴は予定している。

被害届が出た。

薬局長の陳述として  「許される事ではない。厳罰に処してほしい」と。

自宅にあった医薬品は実母からと被告人から任意提出を受け病院に還付された。

今月下旬に追起訴を予定している。証拠開示は追起訴から2週間以内に開示する。

裁判官が弁護人の準備など予定を聞いて次回は10月4日10時20分からとなり、終了した。被告は白いシャツに黒ネクタイで、おとなしそうで少し気弱そうな感じを受けた。

 

今回の定例会に市長の給料月額を減額し、病院の職員の医薬品の横領に対する市長の責任を明らかにするため、議案 第94号「茅ヶ崎市特別職の職員の給与の特例に関する条例」が出ます。

 

※記者会見では市長、副市長も謝罪

以下、忘備録です。

※地方公営企業法

(業務の状況の公表)

第四十条の二  管理者は、条例で定めるところにより、毎事業年度少くとも二回以上当該地方公営企業の業務の状況を説明する書類を当該地方公共団体の長に提出しなければならない。この場合においては、地方公共団体の長は、遅滞なく、これを公表しなければならない。

2  前項の規定による公表は、これをもつて、当該地方公営企業に係る地方自治法第二百四十三条の三第一項 の規定による普通地方公共団体の長の行う公表とみなす。

※茅ヶ崎市病院事業の設置等に関する条例

(業務状況説明書類の作成)

第12条 市長は、病院事業に関し、法第40条の2第1項の規定に基づき、毎事業年度、4月1日から9月30日までの業務の状況を説明する書類を10月31日までに、10月1日から翌年3月31日までの業務の状況を説明する書類を翌年4月30日までに作成しなければならない。

2 前項の書類には、次に掲げる事項を記載するとともに、10月31日までに作成する書類においては前事業年度の決算の状況を、4月30日までに作成する書類においては同日の属する事業年度の予算の概要及び事業の経営方針をそれぞれ明らかにしなければならない。

(1) 事業の概況

(2) 経理の状況

(3) 前2号に掲げるもののほか、病院事業の経営状況を明らかにするため市長が必要と認める事項

※善管注意義務違反(内部統制構築義務違反)

 

 

茅ヶ崎市立病院職員の医薬品窃盗事件について その2

業務改善、再発防止のための政策提言をすることを目的に茅ヶ崎市立病院の聞き取り調査へ 第2回目

聞き取り調査のまとめ

実施日   2017/8/14(月曜日) 午前10時~約40分

仙賀病院長、添田副院長(兼事務局長)、内藤病院総務課長、が出席

聞き取り者 松島幹子

前回の聞き取り調査をアップした後、様々なご意見をいただきありがとうございました。今回、いただいた情報やご意見をふまえ2回目の聞き取りを行いました。メモをもとに要旨を載せます。

松島  今回の事件を病院長としてどのように受け止めているか?

仙賀病院長  茅ヶ崎市立病院の中から犯罪者が出たことに関して非常に責任を感じている。薬局は院内で独立してやってきたが、今後は他の部署からも意見が言えるように他の部署の目が通ることで改善したい。公立病院の正規の職員が罪を犯したことについて管理責任を感じている。

病院の職員は善人であるという前提であるのに犯罪者が出た、そういう職員が居たことに関して責任を感じている。採用の時にわからなかった等、早く見抜けなかったことには責任を感じている。敢えて言明はできないけれど、本人の能力の問題、性格、患者さんとコミュニケーションが上手ではなかった。

松島 茅ヶ崎市立病院は地方公営企業法の一部適用なので、医療法上の病院管理者は院長だが、最終的な病院事業管理者は服部市長である。独立行政法人であれば病院内に権限があるが、現在の市立病院は権限が市長から病院長へ任されていない部分が多い。そのために病院事務局長と言えば本来であれば病院事務に精通した方がなるべきポストであるが、現在の運営形態では市長人事で全く違う市役所の部署から病院経営に精通していない人が事務局長へ就任している。現在の添田副院長兼事務局長も市役所の企画部から新しく就任したばかりである。このような状況では院長として仕事がやりにくいのではないかと思うがいかがか。

仙賀病院長  現在の形態ではなにをやるにも時間がかかりすぎる。また、松島さんも以前委員だったことがあるのでお分かりだと思うが病院運営協議会をはじめ形骸化していることがたくさんある。病院の形態を変えることも1つの方法であるかもしれない。院長になって11年になる。この間、一番力を入れてきたことは良いドクターを集めることであり、その結果、新しい診療科のいくつかを新設することができた。しかし、看護師の出入りが激しいことは大きな課題であり、新しく10名入れば10人出て行かれるような状況である。利便性が良いことは看護師が居続けてくれる大きな要素の1つであるが、茅ヶ崎市立病院は近くにコンビニ等がなく、ちょっと買い物に行きたいと思っても買いに行けるところがない。不便なのでコンビニを病院敷地内に作ろうと計画してから計画実施するまでに既に4年もかかっている。(まだできていない)

松島  市立病院の職員が女性に付きまといをして逮捕される事件も記憶に新しい事であるが、組織として内部統制が効いていないことは明白で市長が病院管理者として病院をきちんと管理できないのであれば現在の形態ではなくて独立行政法人化など他の運営形態も考えなくてはならないかと思うがいかがか。

仙賀病院長  薬局に関しては外からでも薬の流れが見えるシステムに既に変更するように取り組んでいる。すべての職員に目が届かないことは事実である。今回の件では、そんな人を病院に在職させたことはショックだった。各部門のトップが自分の部門の職員に目を届かせることが大切であると思う。何か様子がおかしい職員がいたらきちんと話を聞く、相談にのることを徹底させていく。

松島  今回、被告とされる薬剤師は「市立病院では仕事のやる気が出なかった。モチベーションが上がらなかった。だから3億円ためてゲーム会社をやりたいと思って事件を起こした。」と話していると聞いた。茅ヶ崎市立病院は地方公営企業法の一部適用での運営であり、一般公務員と同様の給与体系であるため、病院の経営状況や業績が給与に反映されないこともモチベーションが上がらない要因の一つではないかと感じたがいかがか。

仙賀病院長  能力がすぐに反映される給料ではなく年功序列でしなくてはならない。病院運営にスピード感は出せない課題がある。

松島  病院は医療事故などのために保険に入っている。今回の損失額約1億400万円に対しても保険が適応されるのか。

内藤総務課長  たとえ適応されるとしても保険を使うことは考えていない。被告に返してもらいたいと思っている。今回の件で市立病院の信用を貶められた。失った信用の分の補償も求めたいと思っている。

松島  今回の約1億400万円は直近1年間分とされている。それ以前についても紛失した薬があるのではないかと疑問があるかいかがか。

内藤総務課長  調べ始めている。

松島  市立病院として約1億400万円、市民の方々に損失を出したことについてはいかがか。

仙賀病院長  大変申し訳ない。組織の問題を洗い出して変えることをすでに始めている。乳腺外科が新たにできて、抗がん剤の使用量が増えたのだろうという思い込みが薬局の中にあったのではないかと思っている。

松島  先日の聞き取りで総務課長からその事を聞いて、知り合いの薬剤師に話したところ、それは理由にならない、プロの仕事ではないと言われた。なぜならば、盗難にあった薬は乳腺外科で使う抗がん剤ではなく大腸がんなど他の診療科で使う薬だから乳腺外科新設に関連していないとすぐにわかるはずだからだと聞いた。

仙賀病院長  その通りです。おっしゃる通りです。

松島  20年くらい前、茅ヶ崎市立病院でN医師による贈収賄事件があった。当時N医師は診察室内で机の下の紙袋から患者に薬を直接売って現金を得ていたと聞いた。今回の事件を聞いて当時の事を思い出した。

仙賀病院長  あの当時は泌尿器科の医師であるだけだったので詳しいことはわからないが、薬局は20年くらい前のあの当時から薬の管理はあまり変わらないと思う。当時、もっとメスを入れるべきだった。

松島  今回、薬品メーカーの方からの情報提供もありました。薬にはロットナンバーがあり、厳格に管理されていて期限切れなどの理由でメーカーが自主回収もしているそうです。今回は盗難にあった薬が現金問屋に流れて厳格な管理のない中で誰かに使われていることは大きな社会問題だというご指摘でした。このことに対してはいかがか。

仙賀病院長  このような社会的な問題の一端に茅ヶ崎市立病院が関わっていることに対しては本当に申し訳ないと思っている。警察では今後はこのことについても捜査されていくだろうと思っている。

松島  お忙しい中、お時間をとっていただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

茅ヶ崎市立病院職員の医薬品窃盗事件について

業務改善、再発防止のための政策提言をすることを目的に茅ヶ崎市立病院へ聞き取り調査へ

政策としての問題提起

市立病院で、54万円分の抗がん剤が不正に持ち出された事件を受け、病院が院内の医薬品を調べたところ、抗がん剤など新たに1億400万円余りの薬が治療には使われずになくなっていたことがわかった。現在、警察で捜査中である。日常の管理体制、内部統制の課題としてどう考え、対処していけばよいか。

事件の経緯(以下、茅ヶ崎市のHPより)

平成29年5月に市立病院薬剤師が業務上横領事件で起訴されました。この事件を踏まえ、市立病院薬局において医薬品等の調査を行ったところ、不自然な払出し(出庫)等があったと推定されるものがあることが判明しました。  平成29年7月18日更新

不自然な払出し(出庫)等があったと推定される医薬品名、数量及び金額等

数量 16種類 851箱
薬価 1億427万6,774円
調査対象期間 平成28年4月1日~平成29年3月31日

聞き取り調査のまとめ

実施日   2017/8/1(火曜日) 午前10時~約2時間

市立病院にて「事件を受けて業務改善の政策提言を行うため」の聞き取り調査

添田副院長(病院事務局長)、内藤病院総務課長、藤本薬局長が出席

聞き取り者 中野議員、沼上議員、松島幹子の3名。

 

  • 再発防止策として、所属する職員が何を悩んでいるのか、考えているのかコミュニケーションをとるようにしている。添田副院長(病院事務局長)
  • 「薬の払い出し」とは、薬を持ちだして部署を移す事をいうが、コンピューターを使ってやる事(初めて10年以上になる)で合理的にできるようになった。これが今回の盗難の盲点となった。今までは、コンピューターを操作する人間と実際に動かす人間は同じであったが、別々の人にすることにした。いつもより多い、少ない等と声掛けができる。○○さん分○本等と詳細な伝票を書くようにした。2人以上が作業することで抑止力にしようと思う。しかし、夜間は1人なので気づきにくい。1人勤務になった時にはPC操作を禁止した。藤本薬局長
  • 市立病院内には外部からの防犯対策として合計で75か所ほどに防犯カメラを設置している。今回の事件を受けて新たに薬局などに11台の防犯カメラを設置した。
  • 今までは1か月ごとに締めて、買った分と払い出し分のみの照合だった。しかし、今後は保険請求との付け合わせをして異常な金額の動きがないか調べる。すでに始めている。今までは保険請求との付き合わせをしていなかったために払い出し分が不正操作をされて事件の発覚が遅れた。
  • 緊急用の薬は各病棟に定数管理で置いている。週に1回から2回確認して補充している。伝票も付けているがすべてを付けているわけではないので完全ではない。
  • 院長の交代は考えていない。添田副院長(病院事務局長)
  • 内部統制の問題だと指摘されても仕方ない。添田副院長(病院事務局長)
  • 抗がん剤の動きがいつもと違うと感じていたが、乳腺外科ができるとふえるのかなと思っていた。 (乳腺外科は、昨年平成28年4月に開設)どうも変だを踏み込んで調べればよかった。        内藤病院総務課長
  • 持ちだした被告の不正行為に対する自分自身の納得、正当化は何かについては、これから裁判により少しずつ明らかになってくるかもしれないが、明確なものは得られないと感じている。薬局長と共に被告に面会へ行ったが、とても本当の事を話しているとは思えないという感じを受けた。     内藤病院総務課長
  • 治療では患者さんに1本の薬を取置きにする。しかし、その後、治療が取りやめになることがある。取りやめになった高額な薬が盗難にあった。高額な薬だけ返品伝票を書かないで盗られてしまった。(中止になった方に薬代などの請求は行ってない。) 藤本薬局長
  • 薬局の職員体制については、院外処方箋になってから各病棟に薬剤師が常駐している。東病棟、西病棟に1人ずつ。薬局には薬剤師が22名。しかし、病棟勤務や夜勤があるので薬局には常時5名~7名となっている。
  • 約1700種類のうち1万円を超える単価の薬は50種類前後。
  • 薬には期限があり、廃棄も2人で行い、記録をとるようにしている。使えない状態にして廃棄している。
  • 月に1回、医事課から電子カルテの中の投薬料などの金額の情報をもらうことにした。その金額と購入した薬の金額、払い出し金額、在庫を照合することにした。この結果は薬事委員会に報告する。又は経営推進会議に報告するなど上席と相談して実施したい。
  • 医師のカルテと薬局の払い出し作業のPCとは個人情報の問題があるので接続していない。今回は、情報が分断されていることから問題が発生したともいえる。医師のカルテと繋がっていたら問題は起きなかった。しかし、患者の個人情報が流出することは大変なことで回避しなくてはならないので繋げていない。院長の方針でもあるが、ほとんどの病院では同じではないか。現在、患者情報がつながっている(電子カルテと繋がっている)のは、受付、会計、各病棟などの電子カルテの端末があるところである。
  • 藤本薬局長はこの4月から薬局長となり、この4月から前任者を引き継いで薬局長としての業務をしている。

私へのメールなどでの情報提供、苦情等のまとめ

※正確でない情報もあるかもしれませんが、寄せられた情報です。

  • 民間企業なら、在庫が合わなければ、決算発表できないことになり、大騒ぎです。
  • 薬局以外の部門、財務などで気がつかないこと自体、おかしい。もしかしたら、病院ぐるみ、市役所ぐるみで、裏金作りをしていたのではないか?
  • 各病棟の冷蔵庫、病院内のレントゲン室や外来などの緊急カートにも、緊急用の医薬品が保管されている。高額のものもある。盗難や紛失していないか調べてみるべきではないか?
  • 某福祉大学卒業後、勤務を始めて3年目の看護師。初めての勤務先、茅ヶ崎市立病院内で、看護士間、職員間の虐めにあい、神経をすり減らし辞めざるをえなくなり退職をしたが、今は元気になり他の病院で働いている。退職後しばらくは大変だった。市立病院内での虐め問題は昔からから繰り返り返されていたと聞いた。同じ職種の娘を持つ親の立場として、若い芽が、握り潰されてしまった事に怒りを感じている。市民税でのこのような市立病院経営および管理を許せない。
  • 現在の茅ヶ崎市立病院長は、前市長の膀胱ガンの手術をした功績で、40才代で、抜擢人事で、他の医師を追い越し、院長になった方で、以来15年以上、同じポジションに君臨しているため、腐敗し、出入り業者と癒着している。現在の院長を院長にすることを条件に、前市長が現市長を応援した。退職の際の「重要申し送り事項」に、茅ヶ崎市立病院長人事も入っていた。そのため、何か不祥事があっても、解任できず、市立病院長自体が、独立王国のような状況になってしまっている。(病院長の専門は泌尿器科。しかし、現病院長は就任して12年位であると思う。15年は経っていない。)
  • これだけの重要な事件にもかかわらず、この件の問い合わせ先が薬局長になっていること自体おかしい。院長、副院長、事務局長などが対応すべき事案である。薬局だけの問題にして終わらせるのではないか。

政務活動費で通っている政策科学研修会講師よりのアドバイス

 ★  不正のトライアングルをチェックすることがまず大切

(1)          不正のトライアングル原則=機会・動機・正当化の深度

(2)          トライアングルのあてはめとして

❶機会=周辺のプレッシャーの脆弱性・・・内部統制が弱いという事でもある。

❷動機=不正行為に対する理解(一般的情報、技術的スキル)

❸正当化=不正行為に対する納得(責任と損害の否定、被害者の否定、他者への忠誠心等)

  •  この課だけの問題ではない。指揮命令系統がどうなっていたか。これだけのものが無くなって財務がわからないことはないはず。組織的な問題である。  責任追及が必要。
  •  なぜ、自分の行為を正当化していたのか。
  • 改善方法としてパソコン操作を1人から2人体制にするとしているが、それでは本質的な解決にならない。
  • なぜ、他の部署で見つけられなかったのか。(わかっていたとしたら根はさらに深い)
  • どういう要因があったのか。
  • 1対29対300の法則・・・組織マネジメントに関して「1:29:30」の原則がある。1つのミスや問題が生じた場合、その背後には29の認識できる問題点があり、29の問題点の背後には300の認識が難しい問題点が存在している。

 

7/24の研修では、上記のアドバイスをいただき、  次回までにさらに掘り下げてまとめてくることが課題となった。改善策を提案することは急務であると思う。今回の市立病院聞き取り調査結果を踏まえて政策科学としてとらえ、政策提言を行いたいと思う。皆様からの情報提供やアドバイス等、引き続きいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

昨日、撮影した茅ヶ崎市立病院の薬局にあるドラフト。

抗がん剤など、患者に合わせて医師の指示に従って薬の配合をしている。呼気で吸い込まないように皮膚につかないように防護服を着てドラフトで調合するとのことである。また、例えば高価な薬で50cc入りで、45cc使用して5cc余っても、それは廃棄する。患者さん1人に対して1本ずつ取置くという意味はこのことである。鮮度や衛生管理などの問題が生じないように注意している。大変な仕事であると感じた。

聞き取り調査を終えて

もう30年以上前になるが、私の最初の職は病院の管理栄養士。月に1回、病院経営会議には栄養課として出席し報告書を提出していた。食事代の保険医療点数(収入)合計はいくらで、食材料費、人件費、光熱費などの経費等の収支報告書も作成していた。そのために月に1回在庫確認をしていた。調味料などの1か月に使った量の集計と在庫があっているか等の報告が必要だった。

茅ヶ崎市立病院医療安全 NEWS(全職員への医療安全管理意識の啓発)によると、平成 28 年 6 月号では、「 新情報システムで生まれ変わる病院と医療安全 」副院長 平成 28 年 10 月号では、1 電子カルテがスタートしました 2 医療安全で関わった電子文書への移行についてとなっている。

薬は約1700種類と多いが、電子カルテ、新情報システムを十分に機能させず、薬の実際に使用した合計と在庫合計の確認をしていなかったことには驚いた。