茅ヶ崎市では、現在ごみの有料化と戸別収集の検討をしており、地域への説明会などが実施されています。また、環境厚生常任委員会では政策提言の準備を進めていることもあって先進市である三鷹市を茅ヶ崎市の担当職員との合同で視察しました。
三鷹市役所への信頼度は90.3%
三鷹市は市政に対する市民満足度が高い市としても知られている。ごみの有料化においても賛否両論があり反対意見も多かったそうであるが、条例改正後には合計102回、2233人参加の実施に向けての説明会を開催して有料化実施に至っている。
茅ヶ崎市役所への信頼度はデータがない
茅ヶ崎市のまちづくり市民満足度調査にはそれを問う項目がない。問題であり調査項目の検討が必要であろう。三鷹市は施策についての調査も行い、調査結果を総合計画に活かしている。
日頃の市政に対する信頼は重要であろう。ごみの有料化について担当課が努力して理解を求めても様々な福祉施策が削られる一方で大型公共工事建設事業がすすめられ、姉妹都市であるホノルル関係経費で毎年1000万円以上が使われる茅ヶ崎市の現状の中でのごみの有料化は困難であると思う。まずは、市政に対する信頼を取り戻すことが重要でありごみの有料化はそれ以後の話だと三鷹市を昨日視察して感じた。
ごみ処理場は市役所の隣にある三鷹市
ごみ処理中間施設が市役所の隣にあるのは管理面で良いと思った。とかく迷惑施設と言われることが多いが、市役所の隣に設置することで市民の信頼を得られやすいだろうと感じた。
大八車(リヤカーのようなもの?)で収集していた時代から戸別収集の三鷹市。徐々に委託を進め、すべて委託収集5社20台で
ごみ収集経費委託料の三鷹市の合計は10億2900万円。
有料化の前に戸別収集をすべきでは?
茅ヶ崎市は資源ごみの分別収集経費だけで4億6000万円と一般ごみの収集運搬経費で1億1000万円で合計5億7000万円であるが、茅ヶ崎市は資源ごみ以外は市の職員が収集しているのでこの中には職員人件費は入ってない。
人口比または世帯数比、面積比等で比較して検討する必要があると思う。
安心まごころ収集事業について
三鷹市では「ふれあいサポート事業」としてシルバー人材センターへ委託してゴミ出しが必要な市民に対してごみ出しと安否確認をする事業を行っている。委託費は年間800万円。1回309円で委託している。対象は要介護2以上のみの世帯または、身体障害者1級又は2級のみの世帯。ゴミ出しのみの支援かゴミ出し+安否確認かのどちらかを選んでいただいて支援している。
茅ヶ崎市では似たような事業として「安心まごころ収集事業」があるが、今後の戸別収集に向けてはシルバー人材センターの委託も検討すべきだと感じた。より細やかな対応が可能になる。
ごみ出しアプリの導入
ごみ分別・資源化の広報活動としてはごみ分別アプリを導入している。導入の初期費用は約100万円もしなかった。ダウンロード数は伸びている。
元議員の岸高明さんが導入すべきだとおっしゃっていたことを思い出した。説明をしてくださった担当職員の方も市民として大変便利で仕事前に出すときに役立っていると話していた。茅ヶ崎市でも導入検討すべきであると思う。
環境指導員(ごみの出し方の啓発指導を行う方)について
三鷹市では環境指導員は正規職員5名で日々のパトロールをしている。ロードレーサーなどスピードの速い自転車と収集車との事故があった場合は警察だけではなく、後々のトラブルを避けるために環境指導員も現地に行って対応している。
茅ヶ崎市環境指導員は正規職員ではなく非常勤嘱託員だが、報酬はわずかでほとんどボランティアに近い中で活動されている。考えてみれば、茅ヶ崎市も自転車が多くごみ集積場所などを点検している時に自転車との接触事故が生じる危険性、また、一部で過度にごみの点検をすることでプライバシーの侵害などのトラブルも発生していること等から、環境指導員のあり方については今後検討課題であると感じた。
ごみ屋敷への対応について
ごみ屋敷の対応も生活環境部ごみ対策課で行っている。なかなか対応が難しく何年もかかったが解消してごみを撤去した事例もある。
三鷹市はリサイクル工房を常時設置
リサイクル市民工房を設置しており、毎週水・木・土・日曜日10時から16時まで開館して粗大ごみを活用した「掘り出し物市」、市立図書館からのリサイクル図書の提供、各種リサイクル講習会、年2回のフリーマーケットなどを開催してごみを減らしている。
茅ヶ崎市でも空き店舗などを活用してできないか検討すべきだと思う。新たな市民の集まる場所になる可能性がある。
焼却灰の埋め立てをしていない三鷹市
最終処分場は26市共同で持っているが、今後は新たな最終処分場を見つけることは候補地がないので困難であり、現在は焼却灰の最終処分場への埋め立てはほとんどしていない。すべてエコセメントにしている。エコセメント化施設は26市で共同で運営している。毎年の負担金は3億7千万円。施設の総工費は272億円だが、毎年の負担金の中で平成18年に竣工した。エコセメントは市の公共工事の仕様書の中にエコセメントを使用する事などを入れる等して使用されている。価格は一般のセメントと同額ぐらいである。
施設を建設するのは茅ヶ崎市1市だけでは到底無理である。しかし、茅ヶ崎市も三鷹市と同じように現在使用している最終処分場の使用期限が終了すれば新たな最終処分場用地はない。
三鷹市のごみ有料の概要
家庭系ごみの有料化は平成20年12月に条例議決、その後、21年10月から有料化開始となった。条例提案前の住民説明会は7地区で14回参加者131名。パブリックコメントは110人295件。賛否両論だがどちらかというと反対が多かった。
ごみ処理費用の2割を袋の値段としている。有料化対象は、燃やせるごみ、燃やせないごみ。有料化対象外は、剪定枝、草、紙おむつ、地域清掃ごみ(ボランティアごみ)。
減免制度は9万世帯のうち約7千世帯が対象となる。り災、生活保護、児童扶養、障害1.2級かつ非課税、75歳以上のみかつ年金のみ又は収入なしの世帯が対象となる。1世帯当たり年間100枚を上限としている。
三鷹市の今後の課題を伺った
布、紙の再利用はできるが厨芥類はできない。日本全体の食品ロスは年間600万トンと言われており、環境省から取り組みの強化も言われているので食品ロスをなくす取り組みを強化していきたい。
「食べきり運動」の推進
食べ物からのごみの削減
私は 「食べ物から政治を考えよう。」と訴えてきた。
- 食べ物の自給率を高めることは緑の保全につながる
- 食べ物からの医療費の削減
- 子どもの教育も食べ物から
- 食べ物からのごみの削減
- 食べ物からの平和の実現
「食事には栄養だけではなく文化も平和も政治も載っている。」
茅ヶ崎市にとっても食品ロスは大きな課題。
以上、視察報告でした。皆様のご意見をいただきたいです。