茅ヶ崎市立病院職員の医薬品窃盗事件について

業務改善、再発防止のための政策提言をすることを目的に茅ヶ崎市立病院へ聞き取り調査へ

政策としての問題提起

市立病院で、54万円分の抗がん剤が不正に持ち出された事件を受け、病院が院内の医薬品を調べたところ、抗がん剤など新たに1億400万円余りの薬が治療には使われずになくなっていたことがわかった。現在、警察で捜査中である。日常の管理体制、内部統制の課題としてどう考え、対処していけばよいか。

事件の経緯(以下、茅ヶ崎市のHPより)

平成29年5月に市立病院薬剤師が業務上横領事件で起訴されました。この事件を踏まえ、市立病院薬局において医薬品等の調査を行ったところ、不自然な払出し(出庫)等があったと推定されるものがあることが判明しました。  平成29年7月18日更新

不自然な払出し(出庫)等があったと推定される医薬品名、数量及び金額等

数量 16種類 851箱
薬価 1億427万6,774円
調査対象期間 平成28年4月1日~平成29年3月31日

聞き取り調査のまとめ

実施日   2017/8/1(火曜日) 午前10時~約2時間

市立病院にて「事件を受けて業務改善の政策提言を行うため」の聞き取り調査

添田副院長(病院事務局長)、内藤病院総務課長、藤本薬局長が出席

聞き取り者 中野議員、沼上議員、松島幹子の3名。

 

  • 再発防止策として、所属する職員が何を悩んでいるのか、考えているのかコミュニケーションをとるようにしている。添田副院長(病院事務局長)
  • 「薬の払い出し」とは、薬を持ちだして部署を移す事をいうが、コンピューターを使ってやる事(初めて10年以上になる)で合理的にできるようになった。これが今回の盗難の盲点となった。今までは、コンピューターを操作する人間と実際に動かす人間は同じであったが、別々の人にすることにした。いつもより多い、少ない等と声掛けができる。○○さん分○本等と詳細な伝票を書くようにした。2人以上が作業することで抑止力にしようと思う。しかし、夜間は1人なので気づきにくい。1人勤務になった時にはPC操作を禁止した。藤本薬局長
  • 市立病院内には外部からの防犯対策として合計で75か所ほどに防犯カメラを設置している。今回の事件を受けて新たに薬局などに11台の防犯カメラを設置した。
  • 今までは1か月ごとに締めて、買った分と払い出し分のみの照合だった。しかし、今後は保険請求との付け合わせをして異常な金額の動きがないか調べる。すでに始めている。今までは保険請求との付き合わせをしていなかったために払い出し分が不正操作をされて事件の発覚が遅れた。
  • 緊急用の薬は各病棟に定数管理で置いている。週に1回から2回確認して補充している。伝票も付けているがすべてを付けているわけではないので完全ではない。
  • 院長の交代は考えていない。添田副院長(病院事務局長)
  • 内部統制の問題だと指摘されても仕方ない。添田副院長(病院事務局長)
  • 抗がん剤の動きがいつもと違うと感じていたが、乳腺外科ができるとふえるのかなと思っていた。 (乳腺外科は、昨年平成28年4月に開設)どうも変だを踏み込んで調べればよかった。        内藤病院総務課長
  • 持ちだした被告の不正行為に対する自分自身の納得、正当化は何かについては、これから裁判により少しずつ明らかになってくるかもしれないが、明確なものは得られないと感じている。薬局長と共に被告に面会へ行ったが、とても本当の事を話しているとは思えないという感じを受けた。     内藤病院総務課長
  • 治療では患者さんに1本の薬を取置きにする。しかし、その後、治療が取りやめになることがある。取りやめになった高額な薬が盗難にあった。高額な薬だけ返品伝票を書かないで盗られてしまった。(中止になった方に薬代などの請求は行ってない。) 藤本薬局長
  • 薬局の職員体制については、院外処方箋になってから各病棟に薬剤師が常駐している。東病棟、西病棟に1人ずつ。薬局には薬剤師が22名。しかし、病棟勤務や夜勤があるので薬局には常時5名~7名となっている。
  • 約1700種類のうち1万円を超える単価の薬は50種類前後。
  • 薬には期限があり、廃棄も2人で行い、記録をとるようにしている。使えない状態にして廃棄している。
  • 月に1回、医事課から電子カルテの中の投薬料などの金額の情報をもらうことにした。その金額と購入した薬の金額、払い出し金額、在庫を照合することにした。この結果は薬事委員会に報告する。又は経営推進会議に報告するなど上席と相談して実施したい。
  • 医師のカルテと薬局の払い出し作業のPCとは個人情報の問題があるので接続していない。今回は、情報が分断されていることから問題が発生したともいえる。医師のカルテと繋がっていたら問題は起きなかった。しかし、患者の個人情報が流出することは大変なことで回避しなくてはならないので繋げていない。院長の方針でもあるが、ほとんどの病院では同じではないか。現在、患者情報がつながっている(電子カルテと繋がっている)のは、受付、会計、各病棟などの電子カルテの端末があるところである。
  • 藤本薬局長はこの4月から薬局長となり、この4月から前任者を引き継いで薬局長としての業務をしている。

私へのメールなどでの情報提供、苦情等のまとめ

※正確でない情報もあるかもしれませんが、寄せられた情報です。

  • 民間企業なら、在庫が合わなければ、決算発表できないことになり、大騒ぎです。
  • 薬局以外の部門、財務などで気がつかないこと自体、おかしい。もしかしたら、病院ぐるみ、市役所ぐるみで、裏金作りをしていたのではないか?
  • 各病棟の冷蔵庫、病院内のレントゲン室や外来などの緊急カートにも、緊急用の医薬品が保管されている。高額のものもある。盗難や紛失していないか調べてみるべきではないか?
  • 某福祉大学卒業後、勤務を始めて3年目の看護師。初めての勤務先、茅ヶ崎市立病院内で、看護士間、職員間の虐めにあい、神経をすり減らし辞めざるをえなくなり退職をしたが、今は元気になり他の病院で働いている。退職後しばらくは大変だった。市立病院内での虐め問題は昔からから繰り返り返されていたと聞いた。同じ職種の娘を持つ親の立場として、若い芽が、握り潰されてしまった事に怒りを感じている。市民税でのこのような市立病院経営および管理を許せない。
  • 現在の茅ヶ崎市立病院長は、前市長の膀胱ガンの手術をした功績で、40才代で、抜擢人事で、他の医師を追い越し、院長になった方で、以来15年以上、同じポジションに君臨しているため、腐敗し、出入り業者と癒着している。現在の院長を院長にすることを条件に、前市長が現市長を応援した。退職の際の「重要申し送り事項」に、茅ヶ崎市立病院長人事も入っていた。そのため、何か不祥事があっても、解任できず、市立病院長自体が、独立王国のような状況になってしまっている。(病院長の専門は泌尿器科。しかし、現病院長は就任して12年位であると思う。15年は経っていない。)
  • これだけの重要な事件にもかかわらず、この件の問い合わせ先が薬局長になっていること自体おかしい。院長、副院長、事務局長などが対応すべき事案である。薬局だけの問題にして終わらせるのではないか。

政務活動費で通っている政策科学研修会講師よりのアドバイス

 ★  不正のトライアングルをチェックすることがまず大切

(1)          不正のトライアングル原則=機会・動機・正当化の深度

(2)          トライアングルのあてはめとして

❶機会=周辺のプレッシャーの脆弱性・・・内部統制が弱いという事でもある。

❷動機=不正行為に対する理解(一般的情報、技術的スキル)

❸正当化=不正行為に対する納得(責任と損害の否定、被害者の否定、他者への忠誠心等)

  •  この課だけの問題ではない。指揮命令系統がどうなっていたか。これだけのものが無くなって財務がわからないことはないはず。組織的な問題である。  責任追及が必要。
  •  なぜ、自分の行為を正当化していたのか。
  • 改善方法としてパソコン操作を1人から2人体制にするとしているが、それでは本質的な解決にならない。
  • なぜ、他の部署で見つけられなかったのか。(わかっていたとしたら根はさらに深い)
  • どういう要因があったのか。
  • 1対29対300の法則・・・組織マネジメントに関して「1:29:30」の原則がある。1つのミスや問題が生じた場合、その背後には29の認識できる問題点があり、29の問題点の背後には300の認識が難しい問題点が存在している。

 

7/24の研修では、上記のアドバイスをいただき、  次回までにさらに掘り下げてまとめてくることが課題となった。改善策を提案することは急務であると思う。今回の市立病院聞き取り調査結果を踏まえて政策科学としてとらえ、政策提言を行いたいと思う。皆様からの情報提供やアドバイス等、引き続きいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

昨日、撮影した茅ヶ崎市立病院の薬局にあるドラフト。

抗がん剤など、患者に合わせて医師の指示に従って薬の配合をしている。呼気で吸い込まないように皮膚につかないように防護服を着てドラフトで調合するとのことである。また、例えば高価な薬で50cc入りで、45cc使用して5cc余っても、それは廃棄する。患者さん1人に対して1本ずつ取置くという意味はこのことである。鮮度や衛生管理などの問題が生じないように注意している。大変な仕事であると感じた。

聞き取り調査を終えて

もう30年以上前になるが、私の最初の職は病院の管理栄養士。月に1回、病院経営会議には栄養課として出席し報告書を提出していた。食事代の保険医療点数(収入)合計はいくらで、食材料費、人件費、光熱費などの経費等の収支報告書も作成していた。そのために月に1回在庫確認をしていた。調味料などの1か月に使った量の集計と在庫があっているか等の報告が必要だった。

茅ヶ崎市立病院医療安全 NEWS(全職員への医療安全管理意識の啓発)によると、平成 28 年 6 月号では、「 新情報システムで生まれ変わる病院と医療安全 」副院長 平成 28 年 10 月号では、1 電子カルテがスタートしました 2 医療安全で関わった電子文書への移行についてとなっている。

薬は約1700種類と多いが、電子カルテ、新情報システムを十分に機能させず、薬の実際に使用した合計と在庫合計の確認をしていなかったことには驚いた。

 

 

 

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