茅ヶ崎市立病院職員の医薬品窃盗事件について その4

2017年9月1日 平成29年第3回茅ヶ崎市議会定例会が始まった。議会初日の一番最初に議案第94号 茅ヶ崎市特別職の職員の給与の特例に関する条例」が先決議案として出された。

※先決議案とは、委員会にでの審査を省略して先に議決をとる案件です。

内容は、茅ヶ崎市立病院職員の医薬品窃盗事件の市長としての管理監督責任をとって服部市長の給与を3/10減額1か月間するという内容。市長の給与は条例で決められているので、議会での議決が必要となる。

副市長説明の後、質問がたくさん出た。(以下)、松島のメモより・・映像は市議会HPここです。

  • 全体像が想定内であれば、追起訴されたとしてもこれが総括処分(これが市長の責任の取り方全部)。今後、変更はない。
  • 職務上の管理責任を怠った事実、ご自身の処分をどのようにするのか?➡職員の懲戒処分などすべて網羅されている。これが総括した責任の取り方。
  • 市長より・・・改めて組織として全職員が取り組んでいく。
  • 経営責任を含めて1億円を超えた特別損失の責任はどうするのか?➡被告本人は、1億円は少し多いと感じているが、貯金6000万円は返却して足りない分は月々弁償していくと話している。市としても足りない分は賠償を求めていく。
  • 犯人は1人だけでない可能性があるのではないか?他に当事者はいるか否か?➡我々が行った事情聴取、警察から入手した情報からはそのような形跡はない。
  • 再度質問されて➡新たな犯人、かかわった人間が出て来たら、また、新たな本件に関する事実が確認されるようであれば検討されるべき。(市長の責任の取り方について)
  • 全容が解明されない中での議案提案ではないか?➡市民生活、社会に及ぼした影響は大きい。検察の取り調べ、我々の調査、新聞、報道などで概ね全体像が把握できているので、速やかに事態を回復したいので提案した。
  • 平成27年9月~犯行に及び、平成28年10月、11月から犯行を加速させたと本人が自供している。
  • 本人の貯金が6000万円ある。
  • 別案件がこれに付随していれば、また、処分(市長の責任の取り方)を検討する。
  • 過去に市立病院での贈収賄事件の時は1/10の減額。
  • 服部市長のこれまでの責任の取り方の処分の中で、減給5/10 1か月は2件ある。3/10 1か月はそれに次ぐ初めての減給処分で或る。今回の処分は条例、過去の処分に照らし合わせてみれば重い処分。5/10の減額は組織しての問題があったので5/10の減額とした。平成19年に固定資産税、都市計画税の税額を間違えて送付した時はそれまでの3年間に同様のミスが連続6回再発していたので5/10の減額であり、平成26年ホノルルでの副市長の死亡事故についてでは5/10の減額処分をした。今回の3/10の減額は重い処分だと考えている。
  • どのように信頼回復していくのか?➡事件が起こった背景の管理体制➊システム上の課題➋作業上の管理課題を整えていくことで信頼回復を図りたい。また、病院の課題は市役所全体につながる課題があるだろう。1人の職員にまかせっきりの仕事のあり方、進め方、一人が全責任を負うようではなく複数が関わっていくことに転換することが大事だと思っている。色々の心情にある心の動きを一人だけのものにするのではなく、課題を相談する、予防する組織としての体制づくりをすることではかっていきたい。

松島の質問
1,
今回、この案件は非常に重要な案件であり、まだ公判中であり、市長の給与を減額してもしなくても市民生活に直接影響が直ちにあるわけでもなく、緊急やむを得ない理由も見当たらないにもかかわらず先決議案として提出された。「臭いものにはふたをする」。組織としてこの事件は早くなかったこととしてしまいたいという事なかれ主義体質という見方もできる。きちんと委員会付託をして議会で十分に審議する案件ではないか。なぜ、委員会付託をせずに9月議会初日の本日の最初に先決議案として出されたのか伺う。➡事の重大性から組織の長である市長の責任を速やかに明らかにする必要があると考えた。(総務部長)

2.
質疑の過程の答弁で、「被告本人は、1億円はすこし多いと感じているが、貯金は6000万円あるので6000万円は返却して、足りない分は月々弁償していく。市としては足りない分は賠償を求めていく。」というご答弁があった。この答弁があったという事は被告と示談交渉をすでに行っているのではないかと思われるがいかがか。➡弁護人がついている。その弁護人とは交渉を行っている。(副院長)

3,
なぜ、示談交渉をしているのか、その理由について説明願いたい。茅ヶ崎市立病院の信頼を大きく失墜させた事件であり、真相解明を徹底的に行い、厳罰を願うのが市の組織としての取るべき道であるはず。示談交渉をし、示談が成立すれば告訴の取り下げ、不起訴、または不起訴にならなくても裁判所が量刑を判断する際に示談が成立していることは,被告人にとって非常に有利な事情として考慮されることになり、真実は解明されないまま闇に葬られることとなる。組織としてそのようなことでよろしいのか、どうして示談交渉をしているのか伺う。➡いま交渉しているのは示談交渉ではなく弁償について交渉しているところなのでご理解いただきたい。(副院長)

以上、先決議案に対する質問は本会議場では1人3回まで。以降は9/4月曜日の一般質問で頑張ります。

松島みき子は反対しましたが、反対2賛成多数でこの議案は可決された

反対討論
質疑の過程で、「新聞報道などでおおむね全体像は把握できているので、速やかに事態を回復したいので提案した。」という答弁がありましたが、まだ真相は解明されていません。いま、被告が着服したと証拠がある医薬品の金額は約200万円であり、残りの約1億200万円はなぜなくなったのか把握されていません。横浜地方裁判所での次の公判は10月4日午前10時20分から予定されており、検察官からは追起訴をする。そして、その追起訴分の証拠はこの日以降2週間以内に提出するとされています。つまり、今回1年間だけで紛失した約1億400万円の医薬品のほとんどは解明していないのです。すべてを被告が着服したと判断しておおむね全体像は把握できているとするのは人権の点からも大問題であると思います。また、調査をした1年間、それ以前の医薬品の紛失状況についてはまだ調査結果も報告されていません。
今回、この責任に対する市長給与の減額の計算根拠ですが、過去に茅ヶ崎市立病院で起こった贈収賄事件では市長給与の減額は1/10だった。組織としての問題のあった場合は5/10の減額だったので、今回の3/10の減額は過去の処分と照らし合わせても重い処分だとご説明がありましたが、今回の事件は組織としての問題ではないとの認識のようですが、被告でなくてはやろうと思えば誰でもできる職場状況であったということは組織としての問題であり、組織の長としての市長の責任は大変重い。今回の議案には反対した。

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