名古屋市は馬車の時代からごみは戸別収集
12月議会が終わって12/20から12/22まで環境厚生常任委員会で「ごみの減量化」をテーマに行政視察した。
行かないとわからない事、知り得ないことはある。名古屋市は戸別収集だとは知らずに有料化をせずに減量化に成功した先進市として視察対象にしたが、行ってみて初めて戸別収集をしている事を知った。名古屋ではごみの収集は戸別収集が当たり前なので、わざわざネットにも書かないので情報として出ていなかった。
一方、茅ヶ崎市は有料化の検討を進めている。そして、要望の多い戸別収集は費用がかかるので現状の財政状況では厳しいとの見方である。
つまり、戸別収集は行わず、ごみは有料化する方向。
名古屋市は指定収集袋を使用しているが、指定袋は市の収入にはならず、ごみ収集は無料。
指定袋収集でごみの減量化に成功し有料化の検討は廃止/名古屋市
ごみ袋は45ℓ10枚で200円~250円で事業者が販売しており市はかかわっていない。指定袋の仕様を公開して業者の自由販売に任せている。指定袋にすること等でゴミ4割減、埋め立て8割減を実現した。
名古屋市で聞いた話
- 平成14年に埋め立て予定地だった藤前干潟がラムサール条約に登録された・・・埋め立て面積を半分にするなど計画変更をしたが最終的には埋め立てを取りやめ減量大作戦実行へ
- 平成15年「自治体環境グランプリ」受賞・・ピンチをチャンスに変えた取り組みが評価
- 平成22年生物多様性条約国際会議が開催される
- 平成29年10月から「水銀に関する水俣条約」及び関連法令に対応するための蛍光管、水銀体温計等の分別回収を新たに実施➡回収した水銀の最終処分地は北海道へ委託。
- ゴミ出し袋を指定袋にし、販売店にはレジ袋を有料化するように協力を求めた。➡レジ袋の収益をレジ袋有料化還元基金へ➡幼稚園、保育園の園庭の芝生化、緑のカーテン、ソーラー式LED照明灯などに使う等のイベントをしながら環境教育にもつなげている。
- 古着、古布は市ではなく古着回収業者などが無償で店頭などでの対面回収しており市では回収していない。
- 古紙は市民自主回収。地域団体による回収のみ。市は回収していない。➡集団回収、リサイクルステーション、それぞれへの助成強化をすることによる学区回収方式。
- 可燃ごみ、不燃ごみ、ブラごみ、粗大ごみは戸別回収
- 高齢化により要望が多い古紙の戸別収集もやりたいが費用の面でなかなか難しい課題。
- 資源、ごみなどを合わせてかかわる職員の5割を委託にする予定で、現在新規採用を控えている。災害時対応を考えると現場を知っている職員が必要。
- 容器包装プラスティックは容器包装リサイクル協会のルートにのせている。同じ素材でできているプラスティック製品(洗面器等)もこのルートにのせたいと特区申請をこの協会に行ったが断られたため、プラスティック製品は燃えるごみとして焼却している。
- 焼却灰(燃えるゴミを燃やした後に出る灰)、茅ヶ崎市は溶融を委託しているが、名古屋市には溶融炉があり、焼却灰を溶融スラグ化している。ふつうの焼却炉は900度。溶融は1800度で行っている。➡溶融スラグはアスファルトの路面材等として利用している。
- 若者に対してわかりやすい発信を工夫したり、スマートフォン用分別アプリなどのインフォメーションを実施している。
- 食品ロスは日本全国で632万トン/年。そのうち名古屋市は7万トン/年と推定している。納期期限切れ、売り残り、定番をカットされたための廃棄、食べ残し、仕込みすぎ等の手つかず食品をフードドライブ活動で活用することでゴミ減量をしている。毎月10日間、公共施設で実施。セカンドハーベスト名古屋が実施している。
- 食べ物に対しても30.10運動、等の啓発活動を行っている。
- 「食べ残しゼロ協力店」活動で①少量メニューの提供②持ち帰り希望者への対応③30.10運動をお客様に呼び掛けるなどのうち1つでも協力してくれる飲食店には啓発資料の作成、提供、市のウェブサイトへの掲載をしている。
- 「環境首都なごや」を目指している。
- えび、かになどの珍しい生物がいる藤前干潟の保全が実現している。
- ごみ非常事態宣言の時には「焼却灰の埋め立て地はあと2年しかない」➡あれから10年たった。取り組みを実施してきた結果、今同じ「埋め立て地はあと30~40年使える。」
民間でできることは民間へ任せることが大切ではないか
名古屋市で回収していない品目として
- 古紙
- 古着、古布 がある。
1品目回収を増やすとだいたい1品目につき7000万円かかると以前聞いている。2品目で約1億4000万円。すべて削減はできないとしても(例えば古紙の売値が安くなると助成が必要など)民間事業者の育成&税金の節約につながるのであれば市がやる必要はないかもしれない。
ひとまず名古屋の報告です。