ごみ減量~環境負荷と経費削減に向けて

ごみ収集にかかる費用は年間50億円越えた

平成16年からのごみ処理にかかる費用を決算書から抜き出してグラフにしてみた。入手できなかった決算書の年度は空白であるがご容赦いただきたい。平成28年度が突出している主な原因は焼却炉のメンテナンス費用、焼却処理施設基幹的設備改良事業費 約20億円だが、他にも理由があると感じて細目別の年次変化をみた。

一番左の清掃費は全体の数字。清掃費の中には右からの項目がすべて含まれている。抜き出した項目は、決算書を見て、私が判断して抜き出したもの。一番変化が大きいのが分別収集経費。

ごみの分別収集経費は約4億6400万円/年

平成16年度は約1億500万円➡平成28年度 約4億6400万円で4.4倍以上になっている。以前の試算ではごみの分別が1品目増えるごとに収集費用として約7500万円増えると説明を受けた。分別品目を増やしてきたことによりこの経費が4.4倍以上に増えている。

ごみを減らしてもごみにかかる費用はほとんど減らない

上の表は茅ヶ崎市のHPより抜粋したもの。人口は増えているがごみの量は減っている。ごみは減ってもごみにかかる費用は増えていることになる。なので、「ごみ処理経費を減らすために、ごみの減量にご協力ください。」は正しくない。市民が努力してごみを減らしてもごみ処理経費はほとんど減らない。ごみの減量とごみ処理経費の削減は別々に考えるべきであり、どちらも必要。

 早急な政策転換が必要

一般廃棄物処理基本計画では、重点施策として

  1.  剪定枝資源化の推進
  2. 事業系一般廃棄物の排出抑制・資源化の推進
  3.  ごみ問題に関する市民との意見交換会の実施
  4. 家庭ごみ有料化導入の検討

の4つがあげられているが、1 剪定枝資源化の推進をすれば、分別収集費がさらに増加することになり、1から3だけでは全体の処理費用はほとんど減らない。

収集方法そのものから大きな政策転換を図る必要がある。このまま有料化だけしても問題が増加する可能性が高いと思う。

市も自覚している分別収集経費の増加

処理費は平成 22 年度までは年間約 30 億円で推移していましたが、平成 23 年度では約 38 億円となっています。これは、新たな分別収集方法の見直し(コンテナ・ネット収集)による収集運搬費の増加に起因しています。(市HPより抜粋)

戸別収集せずに有料化した自治体の課題

  • 間違った出し方をした場合、個別収集だと誰が出したかすぐに特定できるが、個別収集ではないのでわかりにくい。確信犯的な違反をする方もいて対応に苦慮している。
  • 不適切なごみ出しがなおらないことである。不適切なごみはクリーンセンターで持ち帰り中を開けて指導するが、個別収集ではないので対象が特定されにくく難しい。対策が難しい。  以上、某市へ行政視察して聞いたこと。

分別収集経費を減らす政策転換が必要

他市では、

  • 古紙回収、古着の回収等は行政は関与せず民間に任せることで費用がかからず行われている。
  • 品目ごとに費用対効果を常に検証して、費用がかかる割に効果が少ないと回収方法の見直しなど回収廃止も含めて政策転換している。    等、聞いて来た。

分別収集事業費4億6400万円、これを有効に使い、ごみはすべて戸別収集とできないものか早急な検討が必要だと考える。一度やり始めたことは茅ヶ崎市ではやめない。途中で疑問があっても、○○だから・・・とやり続けていくことが多いが、他市てばどんどん検討してどんどんやり方を変えていた。市政の違いに驚いた。わが市も単に費用がかかるので有料化するのではなく、抜本的な政策転換を図るべきだと思う。

再来年からはさらに4億円かかる!??

最終処分計画
本市は、平成 16 年度から現在の堤十二天一般廃棄物最終処分場での埋立を開始しており、「茅ヶ崎市堤十二天一般廃棄物最終処分場に係る公害防止協定書」に基づき、埋立期間は 15 年間としています。(市HPより抜粋)

ごみを焼却した後の灰は最終処分場に埋め立てている。一部は溶融化と言って焼却灰を高熱で溶かして固めて路盤材などに活用しているが、茅ヶ崎市には溶融化施設が無いので他市へ運んで溶融化している。上記抜粋のように埋め立ては平成30年までで終了する協定となっており、その後は埋め立て施設を新たに整備することは不可能なため、焼却灰のすべてを溶融化することとなる。焼却灰のすべてを溶融化すると試算では約4億円かかる。

有料化よりも戸別収集の方がごみの減量には効果がある

家庭ごみ 集積所やめたら減った 戸別収集、都市部で増加という報道によると、※戸別収集とは自宅の玄関先や集合住宅の前にごみを出し、清掃職員が一軒ずつ収集する方法

  • マナー違反が絶えなかったので、マナーを改善しようと始まったが、ごみの量が減った
  • 地域ごとに収集する曜日を変え、午前8時に速やかに回収するようにしたところ、おおむね好評。人口は増えているが、ごみは約2割減。
  • 収集直前にごみを出すことで街の景観もよくなった       等と報道されている。

 

  • 名古屋市などは、ごみ収集は無料、戸別収集している。

戸別収集の実現をまずは考えてほしい

集積場所の問題は様々出ている。月曜日から金曜日まで毎日何かしらの収集があるため、特にご自宅の居間に面した場所が集積場になっている方にはご負担が大きいと思う。苦情も多く戸別収集にしてほしいというご意見は多く聞いている。

個人的には収集品目について、食用油、フライパンの日はほとんど出されていないように思う。また、食用油は揚げ物をしてもすぐに濾して適切に保管すれば一般家庭であれば、その油を炒め物などに使いまわすことをすれば、大量に油を捨てることはないと思う。私は1度も油の日に廃油として出したことがない。

意見交換会でのご意見

  • 燃えるごみの収集パターンは週2回とも同じパターンで同じ時間なのはなぜか?パターンを変えてほしい。公平性から言っても午前収集と午後収集と2回をそれぞれにしてほしい。変則勤務の人は困ります。ゴミ出しの時間帯に出せないので、他の地域で出すか、場合によっては前日になる出勤前に出さなくてはならなくなります。そのようなことも配慮してほしい。
  • 剪定枝を減らす方法もある。市内の道路の植木の剪定については、剪定しすぎではないか、刈り込みすぎだと考えている。もっと木陰ができるように伸ばしても良いのではないか。自然のままの方が美しい。刈込み費用がどのくらいにかっているのか?費用のかけすぎではないか。木を刈り込みすぎないような運動をしたらどうか。
  • 祝日のごみの収集業務はやめたらどうか?収集費用の大幅な減額が見込まれるとともに、自宅でどれだけごみが出るか自覚する良い機会となるのではないか。
  • それぞれのごみの収集処理費用については1キロ当たり○○円等、報告してほしい。
  •  シンプルな分類にしなくてはならない。金銭的に考えなくてはならないと思う。
  • 雑紙の収集袋は非常に有効だと思うので早急にやってほしい。燃えるごみの中に紙ごみが多く入っており、焼却炉の中で舞っている。
  • 業界引き取りシステムを強化すべきだと思う。真剣にやってほしい。メーカーは最後まで考えて物づくりをしてほしい。メーカーの責任を持ってほしい。
  • 自治会では、アルミ缶だけ自治会回収を行い、年間10万円ぐらいになっていると思う。市の収集費用も浮かせていると思うので自治会の収入源になっているうえに市にも貢献していると思う。市を通さずに自治会が直接業者とやり取りする方法を他の自治会でもぜひやってほしい。

 

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